バルチック艦隊技術将校,ポリトゥスキーの日記

11月13日

(長村注:原典では11月12日付けとなっているが,前日の日記内容と比較して,同日付とは考えにくく,ここでは13日の日記として扱うことにした)

今日は朝から湾内の碇泊所を巡航した。艦内は士官室も戸棚も食卓も,すべて石炭の塵煙がかかっていないところはない。石炭の積み込みによって甲板の上に起こる塵煙は,いぜん雲霧が立ち昇るような状況である。乗員は一目みただけでは誰なのかが判別できないほどに真っ黒に汚れている。
ガボンには寄港しないという噂である。これはもっとも望むところである。一挙に航行する方がよい。ガボンはほとんど赤道直下にある地であり,その暑さがひどいのは当然である。
午後3時,今日は朝飯のときに氷菓子のご馳走が出た。氷菓子は,もちろんその名のように冷たいにもかかわらず,氷菓子から水蒸気が湯気のように立ち上っているのをみても,その暑さを察することができる。人々はみな,日射病に罹らないように注意している。
私たちは,とにかくここに水曜日,すなわち11月16日まで碇泊するようにとのことである。もしガボンに寄港せずに航海予定表にあるその次の港に直行するとすれば,その航海はなかなかの大航海になる。
提督は,当地の軍司令長官を訪問し,また,同司令長官を15日の朝餐に招待するようである。
いま,ドンスコイ(長村注:ドミトリー・ドンスコイ。装甲巡洋艦。)から特別に来艦の要求があった。

2005/11/13 in  | posted by gen

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