バルチック艦隊技術将校,ポリトゥスキーの日記

11月17日

昨夜は早く,11時には床についた。明かり窓を開けたまま寝たため,今朝早く甲板洗浄の際に,その明かり窓から水が流れ込んで机を濡らし,私自身も少し頭から水をかぶってしまった。急いで起きて窓を閉じた。
昨夜,舵機操縦のある実地試験をするためにスワロフから他艦に移乗した。
スワロフアリョールは,ちょっとしたことで衝突を免れた。このとき全艦隊が集合していたが,何事もなかったことは幸いであった。
夜8時。将校たちはダカールで種々の小鳥20羽を買ったが,かれらは餌を買うことをしなかったので,手当たり次第にいろいろな餌をやっていた。しかし小鳥は次々に死んでいった。

楽隊は常に祝祭日の朝飯のときだけ演奏しているのであるが,今日は突然,午餐のときにも演奏を始めた。これはたぶん退屈のために思いついたことなのであろう。午餐でも朝飯でも,食べるより飲む者が多い。なんでも飲まないものはない。普通の水はもちろん,鉱泉,赤白のぶどう酒,ビール,各種のレモン水など,何でも飲む。これは暑さのためである。暑さにいちばん苦しんでいるのは提督である。石炭積み込みの際には扉も窓もことごとく閉じていたので,提督の部屋は50度にもなった。私の部屋は,いま明かり窓を開け,通風機で新鮮な空気を流しているのであるが,それでも27度もある。
ある将校がゴザを買い求めたのだが,ある者はこのゴザを士官室に敷いて寝,ある者は応接室に寝,艦長は上甲板に寝た。

今夜,運送船マライヤの機関に何か故障が起きた。全艦長は航進を止めて同船を待った。朝4時ごろのドンスコイからの報告によれば,キングストンに土砂が侵入したらしい。これは同船が砂洲の上を通過したからである。艦隊は陸から90露里の海上を航行しているのであるが,ドンスコイのこの事件以来,さらに陸から離れた海洋に出た。

今日は実に暑い日であった。私の部屋の暑さは,床板の焼ける暑さが靴底からも感じられるほどであることからも推測できるであろう。
夜7時,ああ暑い。波飛沫が入るので,明かり窓はまだ閉めておかねばならないのである。

ボロジノがひとつの機関に損傷を生じた。全艦隊が停止して同艦を待った。いまボロジノは,もうひとつの機関で航行している。
我が艦隊から離れたところで3個所に雷雨を見つけた。黒雲が天を覆い,稲妻が走っている。非常に暑苦しい。

2005/11/17 in  | posted by gen

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