バルチック艦隊技術将校,ポリトゥスキーの日記

11月21日夜11時

日が没すると数々の事故が生じた。8時からいままで艦隊は停止していたのであるが,いまわずかに5ノットの速度で進んでいる。またも不幸なマライヤのために進行が妨げられているのである。機関が損傷し,どこかのポンプが止まってしまったという。私はマライヤについてはとくに恐れている。同艦はダカールで浸水を来たし,私は,同艦はその自らのポンプによって動きながら安全に航行できなければならないことを証明して上申した。いま,そのポンプが破損したと仮定すれば(同艦にはポンプが1台なので),同艦の浸水を止める手段がなくなってしまう。もちろん近くにはドックもない。
いまのところローランドマライヤを曳航している。マライヤのひとつの機関に損傷を生じ,他の機関の推進器の端を折ってしまったからである。つまりマライヤは独力では航行できないのである。
ガボンまでは,まだかなりあるのに,またも大きな障害である。しかし海上が静穏なのがせめてもの幸いである。もし暴風雨にでも遭っていたらマライヤの運命はすこぶる危険である。静穏な天候の中でさえ,ローランドは長時間をかけ,非常な困難の中でやっとマライヤに曳綱をつけることができたのである。1本の綱を切ってしまい,他の1本で代用した。

2005/11/21 in  | posted by gen

EntryPrevious | Main | EntryNext



コメント



コメントしてください