バルチック艦隊技術将校,ポリトゥスキーの日記

12月25日

今夜,意外なことがあった。カムチャツカと信号で通話したのであるが,そのときカムチャツカはその速力のことを意味する信号を掲げた。しかし我が艦の信号兵はこれを「そちらは水雷艇を見たか」という意味に解釈した。そこで当直将校は全艦の士官を起こして急を告げ,まもなく水雷艇による襲撃が始まる,と告げた。そこで全艦に警戒を与えるラッパや太鼓が打ち鳴らされ,たちまち警戒騒動になったのである。

強風が吹き荒れ,またも恐ろしい暴風が襲ってきそうである。すでに我々は海岸近くに来ているので風のことはあまり気にすることはなかったが,風力と風向きだけには注意を払った。
マダガスカルの碇泊地までは,順調に行けば4日間の行程を残すだけである。いままでは予定より早くマダガスカルに向かって航行しているが,これは最近の追い風が功を奏したものである。巡洋艦クバニもマダガスカルで合流することになろう。クバニは我々に遅れてロシアを出発した艦で,我々を追って進んでいるはずであるが,今日に至るまでまだその艦影を見ることができない。たぶんマダガスカルでスエズを通ってくる艦隊とも合流するはずである。
天候は荒れ模様である。波はまたも高くなってきた。大西洋はいつも静穏であったが,インド洋はいつも風波ばかりである。しかしマダガスカルの東ではインド洋も静かとのことである。
室内の空気をきれいにしようとしても,1分間といえども明り窓を開けることができない。扇風機の効果は非常に弱い。

2005/12/25 in  | posted by gen

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