バルチック艦隊技術将校,ポリトゥスキーの日記

12月4日

灼熱の気温は少し低くなり始めた。もっとも暑さが激しかったのはダカールである。いまはかなりしのぎやすくなっている。もし喜望峰の近くに行けば,上着または外套を必要とするだろう。インド洋は非常に暑くて息苦しく湿度も高いとのことである。
全艦体の乗員は提督の命令によって斎戒を始めた。斎戒といっても,船中のことなので,食物などもいつものものを食べ,ただ祈りを行うだけである。
もし予想したとおりに万事故障がなければ,我が艦隊は1月の初めに日本沿岸に到着するはずである。つまり我々はみな,ここで過ごすような退屈極まりない変化のない生活が,まだ2ヶ月以上も続くのである。
地中海回りの艦隊に出会うのもそんなに遠いことではない。万事は旅順艦隊およびウラジオ艦隊の状態如何と,旅順とウラジオの形勢――我が艦隊が極東に到着する機会にクロパトキンはどのような行動を示すかに関わっている。
グレートフィッシュベイは書籍が記すところによれば,そんなに望ましいところではないようである。村落はわずかに7戸あるだけで,その中の2戸は空き家である。四辺は広野で,水もなく住民は水を運んでくるという。しかし魚類は豊富で良好な碇泊場らしい。
たぶん我々は明日の明け方に,そこに到着するだろう。次第に冷気になった。室内は24度である。

2005/12/04 in  | posted by gen

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