バルチック艦隊技術将校,ポリトゥスキーの日記

1月12日

今日はウラルにとって不幸な日となった。朝にはひとりの水兵が日射病で倒れ,夜には二人の士官が椿事によって変死した。一人は准士官,もう一人は大尉である。この変事のために准士官は胸部を挫き,また脊髄を折った。
大尉は頭部を打って人事不省に陥ったのだが,彼は実に気の毒であった。なぜなら彼は黒海艦隊の(マダガスカルに来航した)士官であったが,30分ほど前に黒海艦隊からこの巡洋艦に転乗したばかりであった。艦隊には多くの士官がいるが,彼は黒海艦隊の海軍帽(すべてが白色)を被っていたのでとくに目に付いた。彼はスワロフに来たが,変事の1時間前にその巡洋艦に赴いたのである。スワロフに留まるように勧めたが,それを辞してウラルに乗り込み,この変事に遭遇したのである。まことに気の毒な話である。
この大尉はスワロフに来るとすぐ,艦内に多くの友人がいたので,黒海艦隊に関していろいろな話をし,この艦隊と編成人員とのことについて大いに憤慨して非難した。たまたま私も客室にいてこれを聞き,大いに興味を抱いた。彼は黒海艦隊の人員を非難して,こんなことを言った。自分と一緒に奉職している士官が4人いて,その中の3人が殺された。4人のうちの3人が殺されたとなれば,自分の運命もどうなるかわからない,云々。
彼がこの話をしたのは変事の1時間前である。彼がスワロフを辞す前に,少しの時間,私は彼にウラルに乗り込むに至る話を聞いた。

いま,士官室ではスワロフが陸上との交通を禁じられたことの話で持ちきりであった。これは一人の水兵が逃亡したための措置である(上陸した後,時間になっても帰ってこなかったのである)。とくに捜索もされなかった。

2006/01/12 in  | posted by gen

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