バルチック艦隊技術将校,ポリトゥスキーの日記

1月22日

マライヤの件は,たぶん明日になる。昨夜マライヤに武装した水兵を差し向けて4人の謀反兵を捕縛した。彼らはマライヤの乗組員で,みな義勇兵である。彼らを艦倉に入れるために4人を各戦闘艦に分置した。その中のもっとも凶暴な一人がスワロフに置かれることになった。マライヤには夜間,武装した水平を差し向けたため大きな影響を与え,他の乗組員をすぐに鎮定することができた。彼らは,この事件がこんなに自分たちにとって不利益になるとは夢想だにしなかっただろう。
マライヤで捕縛された犯人は数日間艦倉に入れたのちに上陸させて放逐するとのことである。ボロジノの艦倉は入っていられないほどではないが,スワロフの艦倉は,ほとんど1分間でさえ留まることができないほどである。なぜなら室内は非常に高温で,しかも扇風機もない。このようなところに人間を長く入れておくとは思えない。
4人の捕縛者の中の一人は首謀者とのことだが,彼らはほとんど人間のいない荒野に放棄されるという。彼らはどうなるのであろう。彼らを雇う者もなく,他に逃げることも難しい。外国の傭兵になるとしても,ここには軍隊組織もない。彼らの境遇は実に哀れむべきといえよう。
私はあえて外国の軍隊のことを言っているのではない。フランス政府は義勇兵だけを募って,外国人のみで軍隊を編成している。この軍隊は植民地の危険な地方にだけ駐屯させる。この軍隊に加わる者はすべてのことに絶望した者や,犯罪者,逃亡者,犯人,もしくは冒険者の類だけである。彼らを軍隊に雇うに際しては,いっさい過去の経歴を問わない。これらの軍隊には多くの民族と異なる社会境遇の者がいる。この軍隊は兵卒と貴族士官ならびに各種階級から成り立っている。この群集軍隊を制御する規律は非常に厳格である。この軍隊の中には多くのロシア人もいるということだ。マダガスカルにはこの軍隊が長い間駐留していたが,フランス人は一時これをどこか他の地に移した。しかしフランス人はそのことを後悔し,殖民を服従させるためには軍隊を駐屯させる必要性を感じて,これを帰還させたらしい。これら外国軍隊ははなはだ残忍で土地の人を殺戮し,罪を犯せばもちろん,罪のない人たちの村落をも略奪し,これを焼き払うようなことさえあった。このために土地の人々は静かにし,フランス人を恐れて反抗することはないのである。

2006/01/22 in  | posted by gen

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