バルチック艦隊技術将校,ポリトゥスキーの日記

1月25日

来る29日にペテルブルグから我が艦隊の進退に関する命令が発せられるという話は本当のようだ。極東に進攻するのか,あるいはロシアに帰航するのか,あるいはまた特別の命令があるまでは碇泊し続けるのか,いずれかに決定されるであろう。なるべく速やかに万事を公表してもらいたい。不明不貞は何よりも悪い。
今のような降雨の時期にこの地に停泊しているのは非常によくない。艦隊にはいろいろな熱病が続発している。ヨーロッパ人にはこの地の気候はまったく適していないのである。さらにいまの錨地は艦隊乗組員の精神上も非常に悪い。今の状況は,艦隊はまったく解放され,乗員も分散されたような状態になっている。ナヒモフの事件などは,まさにその一例といえる。

明日の朝6時半までに蒸気を満たすようにとの信号が掲げられた。外洋に出て大砲の発射演習を行うのである。艦隊が本国を出てから初めての演習である。レーウェリで出航前に最後の発射演習を行ったことがある。
今日は上陸しなかった。面倒だったからである。天気はよくないが雨はずっと降っていたわけではない。
陸上から,海馬,サザエその他の軟体動物が入れられた檻を持ってきた者がいた。香水を振りかけたり,タバコの煙を吹きかけたり,あるいはマッチの火などをつけて動物たちを怒らせるなどの他愛もない遊びをした。しかしこのような遊びを非難することもできない。他に遊ぶこともないからである。

2006/01/25 in  | posted by gen

EntryPrevious | Main | EntryNext


コメント



コメントしてください