バルチック艦隊技術将校,ポリトゥスキーの日記

1月28日

今日も上陸した。ここで義勇艦隊の汽船ウラジミールが浸水したということを知った。明日はこの検分に行かなければならない。市中には新しくロシア語で書かれた看板が現れた。士官たちはみな,まったく無用なゴミ同然のものを買い集めて艦に持ち帰り,すべてこれらを捨てて,そのことにも注意を払っていない。
今日は郵便を出した。また喫茶店に入ってトランプをし250フラン勝った。喫茶店を出て市内を散歩したが,何も面白いことには会わず,また喫茶店に戻って,そこから埠頭に行った。
エスペランスはいま外洋から到着した。この船は毎日腐敗肉を舷側から捨てるのであるが,そのために湾内から外洋に出るのである。この船から,はるか遠くに三隻の大軍艦と一隻の小軍艦を見たと報告してきた。もしかすると日本の軍艦かもしれない。今日,私は陸で一人の日本人を見た。多くの者も見たという。前にはこの日本人を見た者はなかった。
また暗号電報を受けた。いまだに翻訳作業が終わっていない。
暗号電報は論功行賞について奇怪なことを伝えてきた。また通信員の電報によればロシアの擾乱はますます恐るべき形勢だという。この電報は,とくにペテルブルグの擾乱のすさまじさを伝え,この事態は市中に障害物を設けるに至ったという。また二千人の殺害と七千余の負傷者を出したとのことである(長村注:この月の22日にペテルブルグで「血の日曜日事件」が起きている。あるいはこのことか。)
通信員の電報は虚報とは思うが,火のないところに煙は立たない。
明日は病院船アリョールに行かなければならない。この船には負傷者収容のために汽艇を付けなければならない。設計者はどういう考えだったのか,この汽船を病院船にするために莫大な費用を要したが,あらかじめ一隻の汽艇も建造していなかった。
ロシアではどこもみな,このような愚昧な不注意が横行している。とにかく病室をつくるのを忘れなかっただけが救いである。

2006/01/28 in  | posted by gen

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