バルチック艦隊技術将校,ポリトゥスキーの日記

2月11日

近頃葬儀が執り行なわれたドンスコイの水兵は,病死ではなく負傷によるものだったらしい。この水兵は偶然に拳銃で負傷したという。
陸上で知事の夫人とひとりの商人の妻との間に大きな衝突を起こした。その事情は次のようであったという。
知事の夫人が,陸上で泥酔したロシア士官のことを知事が提督に訴えたというのは,その商人の妻の偽りの告げ口であると詰問し,さらに商人の妻に向かって「私の夫は提督を訪問していない。むしろあなたの夫が訪問して士官の不始末を訴えた。またあなたの夫がこのことを訴えたのは士官が泥酔したからではなく,その士官があなたとふざけたからあなたの夫が怒ってそれを訴えたのだ。あなたのために士官たちは上陸することができなくなった。云々」と言った。
一言で言えば,この商人の妻は知事の妻に悪口を言われたわけだ。この商人は旗艦の艦長に宛てて手紙を送り,彼がそのようなことを訴えたことはないという証明を与えてほしいと願った。
私はあなたに,士官たちが上陸を禁じられた理由を書いて,それがトランプの賭け事のためだと言ったが,艦長は商人に手紙で,もし提督が認めるなら証明を与えると言ってやった。それでますます喧嘩に花が咲き,二人の夫人の衝突はさらにひどくなったのである。

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封書に封蝋をしようとしても,当地では封蝋した書簡を受け取らない。炎熱のために封蝋が溶けてしまうからである。
当地の商人が暴利を貪るのは驚くほどで,多くの店を開いてみな競って物価を上げ,かつ奸計が巧みである。
エスペランスはマユンゴから買えるだけの食料品を買ってきた。この船は材料を求めるために出航したのである。
当地でロシアの貨幣をどれだけ消費したかはわからないが,軍艦や輸送船がこのように多く,また軍人がこのように多数いて金銭を消費するのは,ロシアがノシベ,マユンゴ,ジェゴツアレツなどを富ませているだけである。フランスからさえ物品や食料品を輸入している。

2006/02/11 in  | posted by gen

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