バルチック艦隊技術将校,ポリトゥスキーの日記

2月22日

汽船が来着したがヨーロッパからではなく,艦隊への郵便物も搭載していなかった。
今日の早朝に手紙と麻布の包みを受け取った。開封したところ,あなたからの手紙であることを知って非常に嬉しかった。包みの方はアリョールの技師が手紙を添えて防水の試験に関する雑誌を送ってくれたものであった。
夜中にスワロフで一つの悲劇が起こった。艦内で飼っている小猿を食べた者がいて,その尾と毛皮の一部が残っていただけであった。鼠か犬の仕業かもしれない。そのほかにも艦内には多くの猿が残っている。
今日,運送船キタイおよび駆逐艦に行かなければならない。運送船イルツイシが近々来着するという噂もある。この艦は遅れてロシアを出航したのである。
8時ごろから甲板のシェルターデッキにいた。風はあるというほどではないが,微風に吹かれて座っていれば少しは熱さも和らぐ。ここに多くの者が集まって雑談した。

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今日,私は某駆逐艦に出張した。艦長と士官は甲板でお茶を飲んでいた。彼らは網の襦袢一枚に白のズボンを履いたのみではだしで歩いていた。私はこのような風習には慣れることができない。私は艦長の足を見て驚いた。足の指は小指一本を残すのみで,あとの指はずいぶん前に失われていた。意外の感に打たれた。
今日はひとりの士官に対して特別委員による軍法会議が開かれた。この士官は他のひとりの士官を弁護するために艦長に対してはなはだ不敬な言葉で上申書を提出したのである。 この士官は提督の命令によりすでに1月中にウラルから転任してきた者であるが,今回は参謀部から免職を命じられる。裁判の結果はどうなるかはわからない。この士官はたいへん温厚な人物であるとのことなのだが。しかし彼が訴えられた犯罪は厳重に処罰されるだろう。水兵に降格されるか,あるいは禁固刑に処せられるものと思う。
某氏は今日,手紙を認めて直接汽船に送る好機会を得たが,私にはそういう機会を持てず,残念である。
ロシアで,ある人は艦隊から2月22日投函の手紙を受け取ったという者がいるが,あなたには2月21日投函の手紙が到着するだけだ。しかし他の家族の中に,あなたのように多くの手紙を受け取る者はないはずなので,それで我慢してほしい。
非常に面白いので郵便局の書付をあなたに送ろう。郵便局の官吏は自慢してロシア語で「ロシア・ペテルブルグ書留」などと書いている。その官吏は私の手紙から写し取ったのである。
手紙を書く時間がない。あなたのために書きたいのは山々だが,公用の手紙に対して返事を出さざるを得ない。その返事も簡略にして終わらせるつもりだ。
某氏はロシアに電報を打って5日間でその返事を得た。たいへん速かったと言えるだろう。これは天候にも左右される。
ロシアへの送金が簡単になる回章が発せられた。為替はベリンクで取り組まれるはずである。その為替券を手に入れ,金額表示の郵書を発送することができる。その為替券を入手した者が銀行で換金できるのである。

2006/02/22 in  | posted by gen

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