バルチック艦隊技術将校,ポリトゥスキーの日記

2月24日

アウローラから海上信号機で出張を要請してきた。朝食を終えたら行くことにする。
あるところから得た情報によれば,日本の軍艦がマダガスカル付近にいるとのことであるが,日本人は自ら進んでこの海軍を殲滅しようなどというような愚を冒す者ではないだろう。
我々の艦隊は,来る28日にロシアに帰還することが決定したという噂がもっぱらである。私はこれをナヒモフで最新の確実な情報として伝え聞いた。よくもこのような馬鹿げたことを考えるものである。ナヒモフの士官室でひとりの技師と数時間雑談した。この人は学校時代からの知り合いである。
駆逐艦グローズヌイの水兵4人が上陸した際に土地の住人の小屋を破壊し,略奪を行ったとして訴えられた。この者たちは裁判の上,厳罰に処せられるだろう。住人が申し出た被害は約60フランに過ぎず,人命には別状はなかった。

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今日も非常に暑い。この地のことわざの,いわゆる「自分の汗を浴びる」ような状況である。飲み物だけを際限なく飲んでいる。スワロフの冷却機の修繕が終わったようなので,氷も手に入るだろう。これはたいへん都合がよい。もうすでに私のテーブルには水と氷を入れたコップが置いてある。すべての人がこれを手に入れられるわけではない。冷却機を運転しないときは,提督には他艦から氷を持ってきて差し上げる。幕僚がこれを手にできるのは当然である。
この暑さを経験しない者は,冷たい飲み物をどうやって楽しむのかを想像することはできないだろう。艦隊では,この氷をさまざまに用いる。これを陸でも販売する。
タンボフの艦内に巻きタバコがあるとのことなので,そこに行って買おうと思う。
手持ちぶさたには堪えられない。はやく方針を決定してほしい。すべての者がロシアと全世界から断絶され,虫のような生活をしている。こうした一様で何ら変わることがない生活は時間を持て余し,逆に何も手につかない。その一例を示せば,今日人々は士官室で猿にシャンパンを飲ませ,犬と喧嘩させるなどして遊んだ。
もし第三艦隊が到着するまでここに碇泊しなければならないとしたら,実に嘆息に堪えない。第三艦隊は来る途中にあり,第二艦隊はノシベに碇泊している。それならば第一艦隊なるものはどこにいるのかと思うと滑稽でさえある。第一艦隊はどのような艦船から編成されているのか,ウラジオの3隻の巡洋艦隊からなっているというのか,その中の2隻(ボカチールグロムボイ)は暗礁に乗り上げて半ば破壊されてしまったのではないのか。実に滑稽であると同時にきわめて残念至極でもある。

2006/02/24 in  | posted by gen

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