バルチック艦隊技術将校,ポリトゥスキーの日記

3月23日

まもなく6時になるが,各艦は前進の準備をしているために昼食は遅くなりそうだ。早朝から石炭の積み込みを始めた。9時に駆逐艦グロムスキーが舵を破損したとの信号を掲げた。この艦はスワロフの近くに来たので端艇でグロムスキーに出張して調査した。私はスワロフに帰り,駆逐艦はカムチャツカに赴いた。舵機の破損は容易ならざるものであった。ジェムチューグの破損よりも深刻である。朝食前にローランドに乗って再びグロムスキーに出張した。わずかな時間の中で,舵の修理のために為すべきことを行った。
次の石炭積み込みの際に,この艦はさらに重大なことが起きるかもしれない。私は駆逐艦から潜水用の脚艇でカムチャツカに赴いた。カムチャツカから,偶然そこにあったボロジノのカッターで再びローランドに行き,そこから直接スワロフに帰艦した。こうして頻繁に大洋の中を往復した。

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石炭積み込みにはちょうどよい天候であったが,波かなり大きかった。
私は諸艦の巡航に嫌気がさしている。毎日汚れて水に濡れ,海中に落ちれば鮫の餌食になる危険をいつも冒している。とくに不快に耐えないのは端艇に移乗することである。本艦から端艇に乗り移る際に水の上に何か手当たり次第に掴まえられる物をつたわって降りるのである。端艇はそのとき舷側にうち付けられ,ときには舷側に触れて端艇が粉砕されてしまうことさえあるのである。実に危険である。
私はカムチャツカからスワロフのために品物を搬送した。グロムスキーは潜水夫を下ろして修理させなければならない。ここには鮫が非常に多い。某艦では鮫漁を行っているという。我がスワロフでもその漁を試みたが獲れなかった。
グロムスキーで潜水作業をするにあたり,若干の水兵に装弾した銃を持たせて艦上に立たせた。海水は非常に透明なので鮫の到来を直接見ることができる。下で潜水夫が働き,甲板上では武装した兵士が並んでいるなどというのは不思議な光景ではないか。
汽艇から水面を飛ぶ魚をたびたび見て驚いた。
夜9時,偶然の話から15日後にどこかの港に到着するとの話を聞いた。果たして本当だろうか。はなはだ疑わしい。私の考えではまだ当分は海上にいるものと思う。
艦隊は静かに,非常に静かに徐行している。かつ始終停まる。いまはその停船にも慣れて,なぜ停まったのかを詮索することもない。いまもほとんど30分も停まっているが,この停止の原因を知るために甲板に上がることも面倒になった。
グロムスキープレスチャーシチーの2艦にまたも事故があった。両艦の曳き船綱を切断したのである。この小艦に悪戯が演じられたことがどのぐらいあることか。病院船アリョールは,この船で一水兵が腹膜炎で死亡したことを通信で伝えた。明日,その葬式が行われる。

2006/03/23 in  | posted by gen

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