バルチック艦隊技術将校,ポリトゥスキーの日記

3月26日

今日は日曜日なので奉神礼がある。天気はよくない。巨濤に風波を交えて海は荒れている。
我が艦隊には場合と事情を少しも理解できない人間が少なくない。スワロフには唱歌隊と楽長がいるが,唱歌隊は二正音を発声できない者もいるのだ。これを何と称すべきか。神聖な単調と言うべきか。または馬鹿というべきか。あるいはまた無礼というべきなのか。
もし明日も天気が今日のようであれば,石炭積み込みは適した天候になるまで延期されるだろう。もう二,三時間も停船している。またもある駆逐艦の曳き綱を切断した。いまなおその綱を与えることができないでいる。波浪のためという。
天候はますます険悪になった。このことはむしろ我々にとってはよいことである。敵にとっても襲来が困難になるからである。

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明朝,我々はジェゴガルシー島(チアゴス群島の中のひとつ)から60マイルの沖を通過する。この島には日本の軍艦がいる可能性がある。明日は石炭積み込みが困難と予想されるほどの天候であるが,明日はどうしてもグロムキーに出張するための支度をしなければならない。
艦隊はゆっくり進んでいる。我々の航海は潮流に乗って流されるのははなはだ都合がよい。この潮流は我が艦船を一昼夜に5露里を進めてくれる。
私室内の息苦しさはほとんど耐えられないほどだ。室内は瞬時にして蒸した空気で充満する。夜寝るときの様子などは到底他人が想像できるものではない。ちょっと明かり窓を開けておく冒険さえする。今夜,我が艦隊は月の上るまでその周囲を探海灯で探照する。

2006/03/26 in  | posted by gen

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