バルチック艦隊技術将校,ポリトゥスキーの日記

4月15日

昨日,各艦の艦長および各提督が旗艦スワロフに招集された。何らかの会議があったようだ。
石炭船がジェゴツアレツから持ってきた郵便物はマダガスカルから発送されたものだけであった。ある艦船などはひとつも郵便物を受けず,また二,三通しか受けなかった船もある。実に落胆のほかはない。
病院船アリョールが新しい知らせを持ってくるのが近づいた。昨日,ベズウプレーチヌイに赴いたが,この艦の修理は大工事である。この修理は2週間で終わらせる予定ということだが,私はこれを昼夜兼行で行おうと思う。そうすれば大丈夫だろう。
運送船ゴルチアコフはノシベからロシアに帰還することが決定したので,多くの水兵がこの船に郵便物を託して手紙を差し立てた。しかし手紙の差出人はすでに故郷でその手紙を手にするのではないかと思ったが,そうとはならずゴルチアコフとこの艦に積んだ通信物は我々とともにここに来航した。手紙とともに多くは送金も託遂されたのであるが,その始末は実に憤慨に堪えないものであった。

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アリョールは病気に罹った士官をロシアに帰還させるためにサイゴンに上陸させた。
マラッカ海峡通過の際にアレキサンドルから一人の水兵がその吊床とともに行方不明になった。たぶん水兵は脱艦を図ってコロップをつけてある吊床を携えて舷側から投身し泳ぎ去ったものと思われる。
当地の現住者である安南人を見た。マレー人種の一種族で黄色人種であるが,かなり醜い人種である。彼らは数隻の小船でカムチャツカベズウプレーチヌイなどに泳いできて,さまざまなゴミ同然の品物を買ってほしいと言ってきた。タバコはたちまち買い取られた。そのタバコははなはだ高価であった。
病院船アリョールは私の電報の(あなたからの)返電を齎すだろうか。もしその返電を得られるならば,私の満足は如何ばかりであろう。
スワロフは石炭の積み込みをした。艦内は至るところ不潔乱雑極まっている。士官室(集会室)の一部や士官の私室までも石炭を散乱させられた。
夜11時,あなたからの返電を受けた。感謝に耐えない。

2006/04/15 in  | posted by gen

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