キリスト復活!(復活祭のもっとも喜ばしい挨拶) 今日はいつもより遅く起きた。旗を揚げるのも遅かった。まだ私室から出ない。
我々は復活祭を迎えた。大祭の祈りの際には士官と乗員の半数は装弾した大砲の前にいて,そこから離れない。祈祷所の燈火が外に漏れないように周囲を厳密に囲ったので,非常に息苦しかった。祈祷はかなり厳かに行われた。みな白衣を着け,祈祷所の聖障(聖像を掲げている板壁)も白色に塗り,司祭の祭服も白色である。祈祷所はすべて熱帯地方の植物で豊かに装飾されている。みな緑樹緑葉で覆われ,花輪を天井から吊っている。祈祷所は数々の装飾を施されているために,ひどく低く見え,あたかも穴倉のようである。朝食の後に精進明けのご馳走が出た。食卓の上はずいぶん立派であった。
ロシアでは我が艦隊がまさかここホンコーヘ湾で復活祭を迎えたとは誰も思わないだろう。夜6時から艦内の生活は平常に戻され,食料品や石炭の積み込みを始め,またも艦内は不潔になった。つまりすべては従来どおりになったのである。過ぎた復活祭を振り返れば,それさえも不規則のうちに迎え,その準備も2日前に始めたに過ぎなかった。