バルチック艦隊技術将校,ポリトゥスキーの日記

4月2日

いまは石炭の積み込みをすることができないでいる。波が非常に高いのである。
多くの人々は我が艦隊に対して大きな希望を抱いている。艦隊の人々はみな4隻の新戦闘艦スワロフアレキサンドルボロジノアリョールを艦隊の首脳とした。日本人は我が全艦隊の司令官である提督が搭乗しているスワロフを撃沈させるために,その全力を注ぐだろう。スワロフに対し水雷攻撃も全艦隊の砲撃をも集中するはずだ。そのためにスワロフは必ずもっとも大きな危険に曝されるだろう。他の戦闘艦,とくにボロジノアリョールは比較的危険は少ない。日本人はまず提督を斃すことに努力するだろう。もし提督が失われれば,そのときはいかにすべきか。もし我が艦隊が,すでに中立港に遁入している我が諸艦のように逃げるようなことはありえるのか。我々はどこで武装を解こうとするのか。我々はすでに18日間,大洋の上にある。しかも港はまだ遠い。しかし推進機の一回転ごとに我々は目的地に近づく。我が艦隊がリバウを後に見てから今日ですでに5ヵ月半,マラッカ海峡に到着するまでほとんど6ヶ月の長時日を費やすとは誰も考えたことはなかった。

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ドンスコイオレーグアリョールテレックの諸艦は海上に火光を認めたとの報告をしてきた。最初は火光が現れるたびに注意を引いたが,我々がいまほとんど戦場に近いところにいる以上,火光に対してもそんなに注意を引くことはなくなった。どれも同じではないか。むしろ万事を速やかに終わらせるに越したことはない。
人々の間には現在の状態にすこぶる満足している者が少なくない。私はこのような人々を見て驚かざるを得ない。見よ,いまも士官集会室には士官などが集まって酒杯を傾け,歌を歌っている。日本の艦隊では一種独特の酒宴を設け,特別の歌を歌う準備をしていることだろう。
通信はいつ受けることができるだろう。カムラン到着前に受けられるかどうかは疑わしい。

2006/04/02 in  | posted by gen

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