バルチック艦隊技術将校,ポリトゥスキーの日記

4月3日

(日中に記す)
今日は早く起きた。石炭積み込みがあり,私は汽艇で駆逐艦ペズーブレーチヌイに出張して舵を見た。事態はたいへんよくない。この駆逐艦は,まったく舵で操縦することができずに如何ともすることができない状況にならないとも限らない。舵を取らなければならなくとも,この大洋の巨濤の上では作業はできない。駆逐艦ペズーブレーチヌイは曳航して行って,カムランに着いたら修繕する以外にない。しかしカムラン湾まではまだ3千露里の行程を残している。
この湾の附近に日本の巡洋艦がいて,我々を待っているとのうわさがある。この湾までは途中何事もなければ10~12日間で着く。カムランからウラジオまでは約5千露里あり,艦隊は行程を急ぐためにいまよりも速力を増して航行することになろう。

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朝8時にはすでにスワロフに帰ることができた。しかしいままた端艇でローランドに赴き,この艦でまたもペズーブレーチヌイに出張した。ここから技手を連れて材料を持ってカムチャツカに行き,ここで修繕するのを待った。カムチャツカからグロムスキーに行き,その途中で技手をペズーブレーチヌイに移乗させた。私は少しの間この艦にとどまった。修繕は終わり工事には満足した。
ちょっとの間だが風雨があった。私は雨具を用意していたのであまり濡れることもなかった。ついでに封緘命令を諸艦に持っていった。朝食の食卓につけなかったので当番の士官と一緒に食べた。
ペズーブレーチヌイに意外なことがあった。この艦で一箇所のキングストンから小さな鮫が侵入して艦内に海水が入ってしまったのだ。その鮫は圧殺した。
いま各艦はその航海を続けるために遠航艦列をつくった。昼食はたぶん遅くなる。
明晩は新月である。数日の間は毎晩弦月が僅かに海上を照らすのみである。これははなはだ危険でもある。暗夜にマラッカ海峡を通過してはならない。狭い海峡で日本人が我が艦船を殲滅しようとしていて多くの襲撃を受けるかもしれない。たぶん日本人は我が艦隊がこの海峡を通ることを探知しているだろう。しかも完全にその準備を整えているはずだ。

2006/04/03 in  | posted by gen

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