バルチック艦隊技術将校,ポリトゥスキーの日記

4月5日

私室は蒸し暑くて寝ることができない。私は艦尾の上甲板に枕もせずに衣服のままで寝た。
昨日テレックの艦長からつぎのような内容の電信を受けた。すなわち「祈祷の集会後に本艦乗員は退散せずに上席士官の交替を要求した。上席士官は救いを求めている。乗員の不法を認む」という内容だ。これはストライキではないか。この報告の最後の一言は確かにこのことを示している。
艦隊は速力を増した。我々はいまインド洋に別れを告げ,いままさにマラッカ海峡に入ろうとしている。2つの大洋――大西洋とインド洋とはまず無事に航行できた。第三の大洋,太平洋においてどのような事件に遭遇するのだろうか。

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ブリヤウェー島はすでに程遠くないはずだが,いまだその島影を見ることはできない。日中に地平線上にスマトラ島附近の小島の陸岸を望見できた。山の頂上が水天髣髴の間にわずかに見えた。これはノシベ出航以来,我々が見た初めての陸地である。すでにまったく陸地を見ないことすでに20日間であった。艦の明かり窓はすべて戦時用の蓋で覆われた。室内は暑く,いることができない。他にどこにも手紙を書くのにふさわしいところもない。戦闘艦の中は至るところ真っ暗である。人がちょっと暗い下甲板の中に入ったときにも目が眩んで見えなくならないように,あえて暗くしているのである。
戦闘艦アリョールは艦隊の航行を2時間も止めた。アリョールは重要な1個の蒸気管を折ってしまったために航行できなくなったのである。いま修理した。
我々はまだマラッカ海峡の中の広いところにいる。願わくは海峡内の狭いところや交戦中にこのようなことが起きないことを祈りたい。もし不幸にしてこのようなことが起きれば,そうでなくとも優勢な日本艦隊をますます有利にしてしまう。
暑さは耐えがたいが私室の中に入った。8時からいままで降りずにブリッジの上にいたのである。いずれにせよ艦隊が目的地に向かって進んでいれば私は満足である。

2006/04/05 in  | posted by gen

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