バルチック艦隊技術将校,ポリトゥスキーの日記

5月20日

見よ,我が艦隊はすでに太平洋上にいる。この海洋はなぜか「大なる」洋と称せられている。バタン群島のそばを通過した。ここには噴火山があるということであるが,戦闘艦からはこれを見ることはできなかった。
今夜は上甲板艦尾の休息所で寝た。私室の開けてある明かり窓から吹き込んだ波しぶきのために吊り床がかなり濡らされてしまい,そこでは寝られなかったからである。
昨夜は波浪に妨げられ,拿捕船オルダミヤに対して十分な石炭を積み込むことができなかった。今日も波のために石炭積み込みが妨害された。もしこの船にウラジオまでに必要な石炭を積み込むことができなければ(サガレンの)コルサコフ港に行くようにとの命令が与えられた。
オルダミヤには石炭の積み込みができたが,我が艦の乗員がまだ200人も残っている。波が高くて彼らを引き取ることができないのである。また明日,彼らの引取りを試みることになる。
ウラジオまではまだ2800露里を残している。我々はこの航程中にどんなことに遭遇するであろうか。
昨日から戦闘になったときのための準備を始めた。準備といってもいたって簡単なもので,革包みを開いて何等の説明を待たずに何物かをそこここに運び,または肖像や書面や妻の写真などをどこかに隠した程度である。

2006/05/20 in ポリトゥスキーの日記 | posted by gen

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