有名な徐家匯の気象台(上海の近く)が支那海に襲来している大風の警報を伝えた。我々はこの大風に遭遇することになるのであろうか。この地方にはたびたびこのような大風があって,その頻度は四季の変化に関係している。我が駆逐艦はこの大風のためにウラジオまで無事に到着できるかどうか不安である。
もし我々が朝鮮海峡に達すれば,たぶんそこで日本の駆逐艦および潜航艇に遭遇するのを免れないだろう。我々がこの海峡を通過する際には(かのドイツ海でのように)多少は荒れた方がかえってよいかもしれない。なぜなら海上の時化がある際には駆逐艦や潜航艇が我々を攻撃することが難しくなるからである。
近ごろは湿度が高く非常に息苦しく感じる。私のタバコも湿ってしまった。(フランス製の)タバコを節約のために二つに区分した。
私の従卒ゴロフコは昨日士官室からブランの瓶を取り出して飲んだことが発覚し,このために旗艦の従卒を命じられた。私もゴロフコに慣れ,彼も私の習慣を覚えたというのに,非常に残念である。
オピームを含んだタバコを吸って眠くなった。
ネボガトフは艦隊を率いてまもなく来航し,艦隊は前進を図ることができるだろう。ネボガトフは明日ごろには到着するのではないか。この艦隊は郵便物を持ってくるだろうか。ロシアのことであるから何とも言えない。