バルチック艦隊技術将校,ポリトゥスキーの日記

5月3日

フランス巡洋艦は湾内から出たが,私たちは一夜を外洋で過ごした。ネボガトフ艦隊のことに関しての情報はない。実に不思議である。予定通りであればこの艦隊はすでにシンガポールを通過したに違いないし,もちろんその情報もあってしかるべきである。
我が提督は,ネボガトフ艦隊が我が艦隊に合流する前に日本人によって撃沈させられるものと確信している。撃沈には至らないまでも損害は免れないものと思っている。そのようになったならそれらの諸艦を修理しなければならず,したがってウラジオに向けての出発は無期限に延期されてしまうことになる。ネボガトフ艦隊と合流した後にはウラジオに到着するまではロシアとの交通はまったく断絶することになると思われる。いまは公報だけではあるがペテルブルグからの電報は受けている。ネボガトフ艦隊と合流後はこれもだめになるであろう。
ネボガトフ艦隊はすでにスンダ海峡を通過したのではないか。ネボガトフは次のような行動を取るべきである。すなわちネボガトフはマラッカ海峡に到着して人々にはこの艦隊がシンガポール沖を通過するものと信じ込ませ,そこで進路を一転してスンダ海峡に回るというものである。
あるいはマラッカ海峡を通過するとすれば日中に航行し,夜には燈火を消して陸岸近くに投錨して碇泊するべきである。このようにすればネボガトフは海峡通過のために多くの時間を要するのは必然である。もし両艦隊が合流することができるとすれば,朝鮮海峡到着する前に戦争を期待することは難しい(ただし魚雷攻撃は別として)。これももちろん,朝鮮海峡に到着することとしての話である。日本人にとっては自分の港湾を遠く離れて艦隊戦を行うのは不利であり,我々にとってはどこでも同じである。ウラジオの付近にもロシアの港湾はない。

2006/05/03 in ポリトゥスキーの日記 | posted by gen

EntryPrevious | Main | EntryNext


コメント



コメントしてください