バルチック艦隊技術将校,ポリトゥスキーの日記

5月6日

昨夜は室内が非常に蒸し暑かったので1時ごろまで船の上を散歩し,ついに艦尾甲板の長椅子の上で一睡した。5時に目を醒ましたが,枕もしないで寝たので寝心地が悪く,頭を動かすと首まで痛い。
今日は陛下の命名日で感謝の祈りがあり,各艦から礼砲が撃たれた。このとき軍艦の付近に多くの中国船がいて,その中には安南人が乗っていたが,大砲の発射が始まると彼らは大いに驚き狼狽して逃げていく有様は見ものであった。
朝,駆逐艦に出張した。次第にすべてのことに対し簡便なやり方を身につけた。たとえば紙巻タバコを巻くためにタバコを封筒に入れておくようになったが,これは巻き煙草入れに仕舞っておくよりたいへん便利である。
ネボガトフ艦隊は未だ来航しない。この艦隊の消息情報も入ってこない。ネボガトフ艦隊ははたしてほんとうに来航するのだろうか。もし来航するとすれば日本からの襲撃に会うかどうかという賭けや会話が館内のどこでも盛んに行われている。アウローラの将校たちはネボガトフ艦隊の来航如何に関して賭博をした。

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ウラジオのドックはわずかに幅が75フィート以下の船舶しか入渠できないと思われるのだが果たして本当にそうかどうかを正確に知ることはできない。新戦闘艦(スワロフアレキサンドルボロジノアリョールなど)はみな76フィートの幅を持っている。もし果たしてそうだとすればこれら諸艦の修理を必要とする場合にも入渠することができないことが心配である。ウラジオ・ドックの幅員その他の寸法はなぜか秘密に付され,海軍省の参考書にも記載されていない。できることなら私のこの心配は杞憂であってほしいのだが。
哨艦の任務に当たる当番の巡洋艦はわが艦隊の方向を指してともに行動する3隻の船舶を見たとの報告をしてきた。この哨艦に対して急速に全速力を出す準備をするようにとの命令が与えられた。

2006/05/06 in ポリトゥスキーの日記 | posted by gen

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