このサイトが発展して,この内容が単行本になりました。
ポリトゥスキーの日記の新訳が文生書院(http://www.bunsei.co.jp/)から本日,『リバウからツシマへ』というタイトルで発売されました。A5判310ページ,定価は2,520円です。
興味のある方はぜひ手にとってご覧ください。英語訳との整合を図るとともに,注釈を充実させています。
お求めは発行元の文生書院に直接ご注文ください。mail ( info@bunsei.co.jp ),Tel (03-3811-1683) または Fax (03-3811-0296) でお願いします。Amazonからでもご注文いただけることになるはずですが,いまのところ時期は未定です。

ポリトゥスキーが乗り組んだ,バルチック艦隊旗艦「クニャージ・スワロフ」とは,どのような艦であったのか,少し紹介しておきます。
- 艦船名:Kniaz Suvarov(クニャージ・スワロフ)
- 艦 種:戦艦(’戦闘艦とも言われる)
- 進 水:1904年9月25日
- 仕 様:Borodino級4番艦として建造される
- 建 造:バルチック造船所(サンクト・ペテルブルグ)
- 全 長:121メートル
- 全 幅:23.2メートル
- 出 力:16,300馬力
- 排水量:13,516トン
- 主機関:石炭燃料によるレシプロエンジン
- 速 力:18ノット
- 主兵力:
- 30.5cm連装砲2基(オブコフ式)
- 15.2cm連装砲6基(オブコフ式)
- 75mm単装砲20基(カネー製)
- 47mm単装砲20基(ホチキス製)
- 38.1cm魚雷発射管4門
ボロディノ(Borodino)の写真
このサイトのトップにあるロゴ写真はスワロフのものですが,スワロフはボロディノ型戦艦なので,以下にネームシップであるボロディノの写真を掲載します。

スワロフの側面図

今日は104年前にポリトゥスキーが妻に送った最後の日記が書かれた日です。そして,その4日後にスワロフとともに海底に没しました。
この日記は,『時事新報社』版を現代文に直して掲載してきたのですが,この『時事新報社』版には明らかな誤訳や活字の文選時のミスと思われる箇所があり,また,その他にも疑問の箇所がかなりありました。
ところが昨年に,マイクロソフトの基金によるカリフォルニア大学デジタルライブラリのひとつとして,『ポリトゥスキーの日記』の1908年にニューヨークで出版された英訳版“From Ribau to Tsushima”全ページのPDFが同大学のサイトからダウンロードができるようになったので,この英訳版をもとに原稿を見直し,このほど,その作業を終えました。ただし,時事新報社版と英訳版には,いたるところに異同があり,残念ながら,この作業ですべての疑問が解消できたわけではありません。
なお,現時点ではこの結果をこのブログに反映することはしていません。この結果は改めてブログとは別に公にする予定です。
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